エル・ライブラリーは私立の労働専門図書館であり,博物資料や文書資料も所蔵する資料館である。『大阪社会労働運動史』編纂のために収集した労働組合や社会運動団体の一次資料を所蔵する西日本随一の労働図書館であるが,2008年に大阪府・市の補助金を全廃されて以来,財政は極めて厳しく,収入の8割を寄付に頼っている。そのような状況にあっても,資料を活用して次世代に残すため,研究者とのプロジェクトを組んでいくつものコンテンツのデジタル化とデータベース作成を進めている。本稿では当館の資料全体の概要を述べたうえで,そのうちWebで利用できるコンテンツとデータベースを中心に紹介する。また,デジタルアーカイブの課題を整理し,今後予定しているデジタル化のプロジェクトについても展望を述べる。