2018 年 45 巻 p. 48-54
本研究の目的は,数学的ゲーム・パズルを題材に高校生のプログラミングに対するモチベーションを高めるワークショップ型プログラミング講習の実践を行い,その効果を実践的に検討することである。「正規の教育課程で学習」→「ワークショップで学習」→「自宅で学習」と連続性を持ったアルゴリズム学習に焦点を当て,学習内容は現行の高校情報科の教科書5誌を元に設定し,題材として数学的ゲーム・パズルを採用した。その題材を用い,高校生の有志38名を対象に4日間のワークショップ型プログラミング講習を実施した。毎回の授業後にモチベーションを把握する調査(SIEM尺度)を行なったところ,「自発性因子」「双方向性因子」「参加性因子」の平均値の向上が有意または有意傾向を示した。また,モチベーション・レベルの全体的な向上が認められ,本講習の効果が確認された。