2022 年 52 巻 p. 42-47
本研究は,学級担任が1人1台端末を協働学習に活用できるようになる要因及び,要因間の関係を明らかにするものである。そのために,著者が学級担任に全体研修を行うとともに,個別の支援も行い,共に授業改善を行った。研修を通して1人1台端末を協働学習に活用できるようになった学級担任へのインタビュー内容と,著者が関わらなくとも1人1台端末を協働学習に活用できるようになった教員へのインタビュー内容を修正版グラウンテッドセオリーアプローチ(M-GTA)で分析し,成長の要因は7種の促進要因と3種の阻害要因で説明できることを確認した。それらを,先行研究を参考にして1人1台端末を協働学習に活用できるようになる成長の要因及び,要因間の関係図を作成した。促進要因の中でも,自身での活用体験・使用経験の重要性が示唆された。