本研究の目的は,[道徳指導法]の授業を対象に,2020年度のオンライン授業において,2019年度の対面授業と比較し,授業のねらいが実現したかどうか(授業の効果性)を分析・考察することである。そのために,限定的なデータではあるが,毎授業時に感想文を収集し,テキストマイニングと統計分析を活用する。まず,抽出語リストと共起ネットワークによる分析から,授業回の全体において,履修者が何を学ぶことができたかについて比較・考察した。その結果,両年度とも授業に前向きに取り組む履修者の思いを概観することができた。次に,各[授業回]と授業のねらいを表す[コード]とのクロス集計を行い,[授業回]の全体と[コード]の関係をχ2検定によって確認した。さらに,各[授業回]と[コード]の個別の関係性について,残差分析を用いて明らかにした。結果として,オンライン授業においても,授業回ごとの授業の効果性は,対面授業と概ね同程度であることが確認できた。