1953 年 22 巻 6 号 p. 248-251
1. 人工越冬冷蔵期間の長短竝びに浸酸後の保護温度と再冷蔵温度との較差と白ハゼ卵発現の関係について実験した。
2. 白ハゼ卵の発現は人工越冬冷蔵40日間を中心として多発し易く, それより冷蔵日数が短くなるに従い, 又は長くなるに従つて減少する傾向が見られる。故に人工越冬冷蔵40日間頃は卵内胚子の状態が白ハゼ卵を多発し易い最も危険な時期になつていると言える。
3. 再冷蔵温度較差は, たとえ20~25℃におよんでも, 0℃よりも遙かに高い温度内における較差と0℃以下の低温度内における較差の場合には自ハゼ卵の発現が少いところから見て, 自ハゼ卵の発現は再冷蔵温度を0℃附近にとつた場合にその温度較差に強く支配されるものと思われる。