1953 年 22 巻 6 号 p. 243-247
1. 5齢6日目の蚕児〔支108 (旧)〕の器官および組織の無機成分を明かにするため, 定性分析は分光写眞器を用い, 定量分析は微量定量定量法により実施した。
2. 蚕児の器官および組織から検出された無機成分はNa, K, Mg, Ca, P, Si, Cu, Mn, Zn, Fe, Al, Ti, V, Ag, Sr, Sn, Pb, NiおよびBの19種類である。そのうちNa, K, Mg Ca, P, SiおよびCuの7種類は器官および組織の調査したすべての試料から常に検出すことができた (第1表)。
3. 蚕児の器官および組織, すなわち消食管, 絹糸腺, 脂肪組織, 体皮組織, マルピギー氏管, 体液, 睾丸および卵巣の各次分組成が明かにされている (第3表)。
4. 消食管内容物およびマルピギー氏管を除いた蚕体内における各無機成分の分布が明かにされている (第5表)。