日本蚕糸学雑誌
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天柞蚕飼育櫟樹の主幹竝びに側枝の伐採と再生現象との関係について
山崎 寿西村 国男田口 亮平
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1953 年 22 巻 6 号 p. 273-278

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抄録

1. 枝條の伐採と再生現象との関係を究明するため6年生櫟樹を用い, 主幹と側枝 (上枝, 下枝) とを5月下旬に2年生部位, 3年生部位及び4年生部位で伐採した3区をもうけ, 再生枝條の伸長を比較検討した。
2. 櫟樹の新梢の生長曲線は前後二つの生長環に分けられる (第1報) が, 再生生長曲線に於ては一つの生長環の場合と二つの生長環の場合とが現れる。
即ち主幹を伐採した場合或は側枝の伐採でもその程度の著しいときは伐採部位よりの再生生長の曲線は共に一つの生長環となり, 側枝の伐採に於て, その程度の少い場合は, その部位よりの再生生長の曲線は二つの生長環に分けられる。
3. 各伐採区間及び主幹, 側枝間の再生現象を比較するため, すべて一つの生長環としてROBERTSON氏の生長式を適用しその恒数によつて再生状態を比較検討して見ると次の如くである。
(i) 枝條の伐採によつて切除された部分の少いものは, 切除された部分の多いものよりも再生生長が早く起る。
(ii) 一般に, 切除された部分の多いもの程再生曲線の上昇が急激であり, 再生量も大である傾向が認められる。

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