1964 年 33 巻 5 号 p. 382-388
栽培グワの乾物再生産に関する研究を行なうにあたり, 非同化器官の呼吸による物質消耗のやくわりを知るための基礎的実験として計画されたものである。
1. 改良を加えたBOYSEN JENSENの通気装置で桑条の呼吸量を測定する場合, 条長を40cm以上にすれば外傷による切口の影響を防ぐことができる。また切口, 葉柄のあと, えき芽をパラヒンで封じて測定することが望ましい.
2. 条を株から切断したのちの呼吸量の変化は条の上部では時間的に急激に減少するが, 下部では一度増加し, のちゆるやかに減少する。したがって条の呼吸量を測定する場合は条を株から切りとったらすぐ測定することが望ましい.
3. 桑条の呼吸量と温度との関係は生育期によってことなるが, 平均Q10=2.17であった.
4. 桑条の部位別呼吸量と含水量は共に上部に大きく, 下部は小さい。両者の間には生長のさかんな時, パラレルな関係がみられた。