日本蚕糸学雑誌
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カイコの中腸皮膜に形成されたエリサン, ハラアカマイマイおよびマツカレハ細胞質多角体の形状
阿部 芳彦
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1977 年 46 巻 4 号 p. 291-296

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抄録

エリサン, ハラアカマイマイおよびマツカレハに由来する細胞質多角体病ウイルスの多角体をカイコ幼虫へ接種し, 宿主を異にした場合の各多角体の形状について観察した。
ハラアカマイマイおよびマツカレハ細胞質多角体の形態は18面体 (6個の正方形の面および12個の6角形の面よりなる) および斜方12面体 (12個のひし形の面よりなる) であった。これをカイコ幼虫に接種した場合, 感染初期には4角形の多角体が形成され, 感染末期には5~8角形の多角体が出現した。その立体像は, 18面体の正方形の面が長方形になったもの, および斜方12面体の一部の面が5角形に変形したものであった。
エリサン細胞質多角体の形態は5角12面体 (12個の正5角形の面よりなる) であった。これをカイコ幼虫に接種しても, 形成された多角体の立体像は接種原の多角体と同じであった。

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