1977 年 46 巻 4 号 p. 297-300
SFVとIFVを種々の割合で混合し, 日124号に接種した場合におけるウイルスの混合割合と感染力価との関係ならびに, SFVとIFVのホルマリンまたは熱による不活化について実験を行った。
1. IFVを単独で日124号に接種するとLD50は極めて低い値を示したが, IFVへのSFVの混合割合が大きくなるに従ってLD50も高くなり, このLD50はSFVによることが示された。なお, SFVによる発病に及ぼすIFV接種の影響は認められなかった。
2. SFVとIFVとはホルマリンおよび熱に対する感受性が異なり, IFVに比してSFVはより抵抗性であることが示された。このことから, SFVの混在するFVを熱処理 (65℃, 30分間) して接種した発病蚕より抗SFV血清にのみ反応するウイルスを分離することが可能であることが示された。