日本蚕糸学雑誌
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カイコおよびヒシモンモドキに対するエチルチオメトン剤の毒性と桑葉における残留
佐藤 姚子杉山 浩
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1982 年 51 巻 6 号 p. 510-516

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抄録

カイコおよびヒシモンモドキに対するエチルチオメトンの毒性を明らかにするため, 以下の実験を行った。カイコでは局所塗布法, 経口施与法によってLD50 (μg/g・体重) 値を算出した。また, エチルチオメトン5%粒剤を鉢植え桑に施用し, その桑葉でカイコを飼育して影響を調べるとともに, 残留量をN-PFID検出器付きのGCで測定した。その結果, 施用10日から40日後の桑葉で飼育したカイコは, 成育状態および営繭後の繭質も対照区に比べて差がなかった。残留量は全エチルチオメトンとして6.26~0.74ppmが測定された。また, ヒシモンモドキについては, 粒剤施用9日から37日後に鉢植え桑に放飼し, 24時間毎に死虫率を調べたところ, 37日後まで殺虫効果が認められた。以上の結果から, エチルチオメトン粒剤は桑園害虫のうち, 特に吸汁性害虫の防除剤として有用であろうと思われる。

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