1984 年 53 巻 1 号 p. 69-71
濃核病ウイルス (山梨株) は, 伊那株や小型軟化病ウイルスに対する抗血清とゲル内沈降法では全く反応せず, 両ウイルスとの共通抗原は持たないと考えられた。各種蚕品種への感染性についても伊那株とは異っていて, 日124号では全く増殖せず, その他の7品種に対してはいずれも高い感染性を示した。このように, 山梨株は, 伊那株とは血清学的関係がなく, しかも蚕品種に対する感染性が相違することから, 伊那株と異なる濃核病ウイルスであることが推定された。