日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
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野蚕糸利用による異収縮性混繊糸の製造
加藤 弘
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1991 年 60 巻 6 号 p. 432-444

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抄録

微細構造やアミノ酸組成の異なった野蚕糸は, 塩縮・分繊加工しても, ほとんど収縮挙動を示さないことを見出した。そこで, 野蚕繰製糸を利用した混繊糸を作って, 加工すると異収縮性混繊糸となることがわかった。そこで, 各種の野蚕繭, 野蚕繰製糸, 精練野蚕糸, 野蚕糸/家蚕糸/家蚕糸混繊糸および加工混繊糸についての性状や物性性能などについて検討した結果, 加工した野蚕糸/家蚕糸混繊糸の伸長率は未加工の混繊糸よりも大となり, かさ高度やかさ高圧縮度, かさ高圧縮弾性度もいずれも増大した。異収縮効果によって, 野蚕糸利用を利用した異収縮性混繊糸はふくらみ感や圧縮弾性が与えられた。

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© 社団法人日本蚕糸学会
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