日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
桑葉からの不定芽誘導における回転振盪培養の効果
片桐 幸逸NGUYEN TIEN THINH
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 63 巻 4 号 p. 278-283

詳細
抄録

桑品種一ノ瀬の冬芽から摘出した幼葉を用いて回転振盪培養を行ったところ, 次の結果を得た。(1) 2mg/lのベンジルアミノプリン (BAP) を含む Murashige & Skoog (MS) の培養液を用いた1分間150回転の回転振盪培養は, 同じ濃度のBAPを含むMS寒天培地を用いての培養に比較して葉単位で2倍程度多く不定芽が形成された。(2) 幼葉の不定芽形成能は, ホルモンを含まないMS液体培地で10日間回転振盪培養することによってほぼ失われた。(3) 不定芽は, 葉先部に比較して葉底部で多く形成された。(4) アミノ酸のアラニンは不定芽形成を促進し, 同じアミノ酸のトリプトプァンは不定芽形成を抑制した。

著者関連情報
© 社団法人日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top