1994 年 63 巻 4 号 p. 278-283
桑品種一ノ瀬の冬芽から摘出した幼葉を用いて回転振盪培養を行ったところ, 次の結果を得た。(1) 2mg/lのベンジルアミノプリン (BAP) を含む Murashige & Skoog (MS) の培養液を用いた1分間150回転の回転振盪培養は, 同じ濃度のBAPを含むMS寒天培地を用いての培養に比較して葉単位で2倍程度多く不定芽が形成された。(2) 幼葉の不定芽形成能は, ホルモンを含まないMS液体培地で10日間回転振盪培養することによってほぼ失われた。(3) 不定芽は, 葉先部に比較して葉底部で多く形成された。(4) アミノ酸のアラニンは不定芽形成を促進し, 同じアミノ酸のトリプトプァンは不定芽形成を抑制した。