日本蚕糸学雑誌
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ミスト処理を用いた直接発根法によるクワ培養シュートの発根および順化
片瀬 雅彦
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1994 年 63 巻 4 号 p. 293-298

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抄録

クワ (品種みつしげり) の培養シュートを, ミスト処理による直接発根法で発根・順化させた。25個のセル (5cm×5cm×深さ6cm) から成るプラスチック・トレイにバーミキュライトを詰め, 0.5ml/lのハイポネックス®で湿らせた。このトレイに1~3cmの培養シュートを挿して温室に置き, 20%の自然光下で, 7時から19時まで30分ごとに15分間ミストを噴射した。ミスト処理を0~25日間行った後, 同じ温室内の自然光下で育成したところ, 15日間のミスト処理によってシュートは良好に発根し, 同時に順化された。プラスチック・トレイの代わりに異なる容量 (100, 200, 400ml) のプラスチック・ポットを用いたところ, 容量が大きいほどミスト処理後の生長量は大きくなった。クワ培養シュートの発根・順化において, ミスト処理による直接発根法はプラスチック・ボックスの保湿処理による直接発根法よりも効率的である。

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