日本蚕糸学雑誌
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カイコ若齢型タンパク質PYL-A4の遺伝
伴野 豊野田 和宏河口 豊古賀 克己土井 良宏
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1994 年 63 巻 4 号 p. 299-302

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抄録

カイコの1~3齢幼虫期の体液中に主要に存在する若齢型タンパク質は電気泳動分析によりA群, B群に大別される。これらのうち最も高濃度なPYL-A4について遺伝学的解析を行った。まず, 起源の異なる125系統につきPYL-A4の電気泳動による変異を探索したところ, 陽極への移動度の速い1型と遅い2型および痕跡量となるn型が見出された。交雑実験からこれらの変異は共優性的に発現されることを認め, PYL-A4を支配する遣伝子を若齢タンペク質遺伝子と命名, 遺伝子記号をPylとした。次いでPyl遺伝子の連関検索を行ったところ, 第20連関群に所属することが判明した。同連関群所属の霜降油蚕遺伝子 oh, リポタンパク質遺伝子加の両遺伝子を基準に用いて3点実験を行い, Pyl遺伝子座を第20連関群11.2と決定した。

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