1994 年 63 巻 4 号 p. 303-309
Bacillus thuringiensis subsp. sottoは, 殺虫性タンパク質 (1,180アミノ酸残基) をコードしているcryIA (a) 遺伝子を有しており, この殺虫活性領域はアミノ酸残基29から618とされている。本実験では, cryIA (a) 遺伝子の活性領域を改変し大腸菌にて発現させ殺虫活性をカイコ幼虫に与えて検定した。その結果, LD50は4齢幼虫1個体当たり0.25~0.35μgであった。また, 同様に殺虫活性領域を有するcryIB遺伝子をB. thuringiensis subsp. thuringiensis HD-2からPCR法によって分離し遺伝子改変を行い大腸菌にて発現させた。発現タンパク質は大腸菌全タンパク質としてモンシロチョウ5齢幼虫に対して生物検定を行いLD50は1個当たり>0.1μgであった。この結果, 改変cryIA (a) ならびにcryIB遺伝子は, 遺伝子改変作物作出に使用可能であることが示された。