1994 年 63 巻 4 号 p. 315-322
家蚕絹フィブロインがハロゲン化リチウムとジメチルアセトアミド (DMA), ジメチルホルムアミドあるいはメチルピロリドンとの混合溶媒へ溶解することを見出した。LiCl/DMA系が最も有効であり, 塩化リチウムは臭化リチウムより優れていた。種々の溶解条件の影響について詳細に検討した。50℃, 塩化リチウム濃度2.25mol/lでの絹の溶解量は140g/l以上であった。絹を溶解する際, 90℃でリチウム塩を加える場合には, 再生絹の分子量の低下が認められた。