1999 年 68 巻 3 号 p. 217-223
自然環境が良く保存され, 亜熱帯気候を示す屋久島各地の土壌から B. thuringiensis の分離を行ない, H-serotype フローラを示した。屋久島においては従来 B. thuringiensis の分離同定が報告されていないため, H-serotype フローラを知る上で適当な場所と考えられた。結果は以下に要約される。
1. 屋久島35地域177地点の土壌をサンプルとし, Bacillus と考えられる菌株68,153株を分離した。その中, B. cereus 群に属する菌株は3,955株であり, B. thuringiensis は53株 (1.3%) であった。
2. H-serotyping の結果 serovar kurstaki 24株 (43.6%), serovar galleriae 14株 (27.3%), serovar sumiyoshiensis 6株 (10.9%) が優占H-serotype であった。このことから屋久島土壌では serovar galleriae ならびに sumiyoshiensis の優占が特異な結果となった。