2001 年 70 巻 3 号 p. 135-143
cDNAクローンのRFLPを用いた連関検索法確立のために, サザン法によるシステムの検討を行った。3日齢卵のcDNAライブラリーよりプローブを調製した。数個のクローンを用いた解析で, 系統内多型が無く解析に適していたp50と日02号の両系統を用いて, プローブのRFLPの検索と連関検索を行った。その結果, 57%のクローンでRFLPにより差異が認められた。クローンの塩基配列を解析したところ, 5つがリボソームタンパク質遺伝子と, 4つが熱ショックタンパク質様アミノ酸配列をコードする遺伝子と類似であった。さらに, サザン法で明確なバンドを示さなかったものは, Bml, BMClに類似していた。p50と日02号のF1雌と日02号雄の戻し交雑の15個体のDNAを用いて極めて効率よく連関検索を行えることが判った。そこでこの方法をSLA法 (scanning linkage analysis method) と名付けた。連関検索の結果29クローンは, 9の連関群と8の独立したクローンとなった。