抄録
トリロイシン基またはテトラロイシン基を含む両親媒性分子は, ペプチド部分でβ-シート構造を形成する. このような分子を気水界面に展開すると, β-シートどうしがロイシンの側鎖部分でファスナーのように噛み合い (ロイシンファスナー), β-シートがロイシンファスナー作用で集積した超分子単分子膜になる可能性がある. そこで, トリロイシン基やテトラロイシン基をもつ種々の両親媒性分子について表面圧 (π)-面積 (A) 曲線を測定したところ, 凝縮膜を形成する前に一時的圧力増加が観察された. ロイシンファスナー形成を阻害すると考えられる, かさ高いパーフルオロアルキル鎖を二本有する両親媒性分子では一時的圧力増加が観察されなかった. この結果から, 一時的圧力増加はロイシンファスナー形成の直接的証拠になること, また, 圧力増加を示す単分子膜は, β-シートがロイシンファスナー作用で集積した超分子単分子膜になっていることがわかった.