高分子論文集
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一般論文
ポリアニリンをシェルとするコアシェル粒子の合成と応用
石井 崇之二瓶 栄輔川口 春馬
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2007 年 64 巻 1 号 p. 56-61

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抄録

ポリスチレン粒子,あるいはスチレン-アクリル酸エチル共重合体粒子をシード粒子としてアニリンを酸化シード重合することにより,ポリアニリンをシェル層とするポリアニリン複合粒子を作製した.シード粒子の種類,酸とアニリンの比率を変化させることにより,重合速度と吸着速度のバランスを変化させることができ,それにより,ポリアニリン複合粒子の構造を,平滑な表面をもつコア-シェル構造からラズベリー構造まで変化させること,さらには導電性を変化させることができた.ポリアニリン複合粒子分散液に硝酸銀を加えると,銀イオンが自動的に還元され銀ナノ粒子が複合粒子上に析出した.得られた銀ナノ粒子担持ポリアニリン複合粒子は,水中に安定に分散し,還元反応触媒として働き,反応後媒体中から簡単に回収される特長を有する.

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© 2007 公益社団法人 高分子学会
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