抄録
各種のアイソタクチックメタクリル酸メチルのオリゴマーの量子化学計算による立体配座解析(エネルギー比計算)を行い観測結果と比較した.計算は非らせん条件(トランス 2 面角入力値:180°)で行った.3, 7 量体での最安定構造はそれぞれの観測結果とほぼ一致した.末端主鎖の立体配座は末端基のかさ高さに影響を受け,tert-ブチル基ではトランスが,プロトン,メチルまたは n-プロピル基では側鎖の回転を伴いゴーシュが安定であった.7, 9 および 11 量体の最安定構造は,7 量体の観測結果と同様,トランス鎖の中間にゴーシュをもつキンク構造であり,オリゴマーの結晶がポリマー(全トランスの 10/1 らせん)と異なることが推定された.11 量体のみがらせんがキンクした構造であり,らせん条件(-160°入力)で計算した均一らせんとのエネルギー差はわずかであった.この結果はポリマーが 10 モノマー単位のらせんであることを支持している.