2007 年 64 巻 4 号 p. 223-230
アミジノ尿素樹脂における捕獲部位周辺置換基の,金属イオン捕獲能に及ぼす影響について検討した.捕獲部位に隣接して存在する 3 個の置換基は立体因子効果あるいは親水・疎水効果により捕獲能に影響を及ぼすと考えられる.この点を明らかにするために,炭素鎖長の異なる鎖式および環式の 8 種類の異なる置換基をもつ置換アミジノ尿素樹脂を合成し,金属イオン捕獲能および水に対する溶解性から検討した結果,親水・疎水効果の寄与がより大きいことがわかった.無置換アミジノ尿素樹脂も含めた検討から,アミジノ尿素樹脂における金属イオン捕獲の最適構造は,捕獲部位に隣接して 3 個のメチル基が導入された形であると結論した.