高分子論文集
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一般論文
トリアジン系縮合剤を用いる直接重縮合による芳香族ポリアミドの合成
工藤 孝廣大石 好行オラベッツ ヤン森 邦夫
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2007 年 64 巻 4 号 p. 231-236

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抄録

トリアジン系縮合剤である 4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)を用いて,安息香酸とアニリンのモデル反応をトリエチルアミン存在下に N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中 0℃~室温で行ったところ,高収率でベンズアニリドを合成することができた.このモデル反応を基に,DMT-MM を用いて芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンの直接重縮合をトリエチルアミン存在下に行った.その結果,0℃ で 6 時間という温和な重合条件下で 0.6~1.4 dL/g の対数粘度を有する高分子量の芳香族ポリアミドを得ることができた.重合方法は,芳香族ジカルボン酸,芳香族ジアミンおよび塩基であるトリエチルアミンの NMP 溶液に DMT-MM を添加する簡便な一段法である.ポリパラフェニレンテレフタルアミドのような剛直な構造のポリアミドを合成する場合には,DMT-MM と同時に塩化リチウムを添加することにより高分子量の芳香族ポリアミドを得ることができた.

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© 2007 公益社団法人 高分子学会
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