抄録
結晶性高分子の溶融状態から結晶化初期の構造について,ポリエチレンテレフタレート(PET)とアイソタクチックポリスチレン(iPS)の磁場配向現象を通じて検討を行った.磁場内で FT-IR 測定できるシステムを構築し,磁場配向の in situ 観察を行ったところ,PET と iPS のいずれも結晶化初期まで磁場配向が可能で,それ以降では配向できないことがわかった.加えて,iPS では溶融状態で存在する融解前の結晶に由来する秩序構造は磁場配向していないが,PET の場合では配向していることがわかった.この結果から,iPS では溶融中に存在する秩序構造の大きさは 100 nm 以下であり,PET では 100 nm 以上であることが示唆された.また,結晶化誘導期に存在する構造も磁場配向し,いずれもサブミクロンオーダーであることが示唆された.