2011 年 68 巻 4 号 p. 171-175
シリコンウェハー表面に「grafting to」法によって作製したポリスチレンスルホン酸ナトリウムブラシについて,走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いた水中摩擦力顕微鏡法(FFM)により摩擦力を測定し,水中におけるナノスケールにおける摩擦特性を評価した.摩擦力測定は負荷荷重を変化させた場合の荷重依存性,走査速度を変化させた場合の速度依存性について測定した.その結果,基板に対して摩擦力を大幅に低減できた.また,動摩擦係数が 0.002 と非常に小さくなること,面内における高い均一性など,ナノ領域の水中における摩擦特性が明らかになった.