抄録
ノボラック系ポジ型レジストにおけるプリベーク(PB)温度と現像特性との関係を検討した.レジストの初期膜厚とレジストの感度(Eth)との関係を Swing Curve より評価し,レジストの現像特性に対する多重干渉波効果(Swing Curve の振幅)とバルク効果(Swing Curve の傾き)の影響を検討した.PB 温度が 80℃ から 130℃ の範囲において,PB 温度が高いほどレジストは低感度となり,特に PB 温度が 120℃ 以上で感度低下が顕著であった.多重干渉効果とバルク効果は PB 温度に依存しなかった.PB 温度の異なるレジストの感光パラメータの評価により,PB 温度 140℃ 以下では,PAC の光吸収,PAC の光分解速度ともに変化がなく,樹脂の光吸収も変化がなかった.さらに,PAC,ノボラック樹脂ともに,140℃ 以下の PB 温度では熱的に変質しないことが,DSC や FT-IR 測定より判明した.一方,PB 温度が高いほど膜中の残留溶媒量が少ないことが TGA 測定より判明した.とくに,PB 温度が 120℃ 以上では残留溶媒量は顕著に減少した.以上より,PB 温度を上げることによりレジスト感度が低下したのは,レジスト膜中の残留溶媒量が減少しレジストが硬化したためであると考えられる.