高分子論文集
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一般論文
ウルシオールの高温硬化による塗膜形成
小川 俊夫沖野 英二郎大藪 又茂
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2012 年 69 巻 2 号 p. 71-76

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抄録
漆はさまざまな優れた物性をもつため,昔から日本各地で使われてきた.しかしながら,漆の硬化は通常酵素に関係しているため長時間を要し,用途が限定されている.そこで,漆の主成分であるウルシオールについて基礎的観点から高温における速い硬化反応を検討した.ウルシオールの硬化反応は 100~200℃ の温度範囲で空気および窒素雰囲気下で行った.次に反応機構を理解するためにスチレンとウルシオールについて高温で粘度の時間依存性を調べた.硬化速度や粘度は温度の上昇とともに増加したが,ウルシオールの粘度上昇は窒素雰囲気よりも空気雰囲気下で著しかった.また,硬化速度も粘度と同様に窒素雰囲気よりも空気雰囲気下において速かった.さらに,膜の酸化も空気雰囲気下での硬化でより著しかった.ところが,スチレンの粘度は雰囲気の影響はなく,ウルシオールはスチレンのような純粋なラジカル重合だけで硬化しているのではないことを示した.
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© 2012 公益社団法人 高分子学会
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