2013 年 70 巻 4 号 p. 145-150
本研究ではバイオマス成分の効率的な糖化法の確立を目指し,各種バイオマス成分の糖化実験を行った.まず,木材,わらを前処理せず固体酸触媒による直接的な糖化を行ったところ,効率的ではないが糖化速度の速いヘミセルロースが選択的に糖化され,キシロース,アラビノースが生成した.また,ホロセルロースからヘミセルロースであるキシランを分離し,続いてキシランを糖化する,段階的な糖化手法について検討を行った.ホロセルロースを水酸化バリウムで処理し,キシランを分離同定した後,さらにキシランの加水分解を行った結果,0.1 M硫酸を用いた場合,3 g固体酸触媒を用いた場合に効率良く反応が進行し,キシランからキシロースの生成が確認できた.