抄録
一軸伸長変形下におけるポリエチレンのサブミクロンスケールの不均一密度ゆらぎの変化を超小角X線散乱(USAXS)法により調べた.また,0.1 nm~1000 nmに渡る幅広い空間スケールの情報を基にこの不均一密度ゆらぎの変化について考察するため,小角X線散乱(SAXS)と広角X線散乱(WAXS)法も併用した.USAXSの結果より,ひずみの増加とともに不均一密度ゆらぎが増大し,伸長方向に平行方向の方が垂直方向よりもゆらぎの増大が大きいことがわかった.また,伸長方向に沿ったゆらぎの増大は応力–ひずみ曲線の降伏点よりも低ひずみ側の方で高ひずみ側よりも大きいことがわかった.その一方で,SAXSとWAXSの結果からはそれぞれラメラ長周期の変化と結晶格子のc軸の配向がひずみに比例して起こっていることがわかった.