高分子論文集
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原著論文
イミノ基により架橋した分解性ポリ(アルキルビニルエーテル)ゴムの合成
浪越 毅山本 健二小針 良仁村田 美樹渡邉 眞次橋本 保
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2016 年 73 巻 2 号 p. 213-220

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抄録

リビングカチオン重合で合成したポリ(n-ブチルビニルエーテル)を停止剤に水を用いて成長末端変換反応を行い,ホルミル末端テレケリックポリ(NBVE) (Polymer 1) (Mn=9,000,Mw/Mn=1.10,Fn;1.91)を合成した.アルミナ存在下でポリマー末端のホルミル基と三官能アミンであるトリス(2-アミノエチル)アミン(TAEA)を反応させると,ゲル化が起こりイミノ基により架橋したポリ(NBVE) (Polymer 2)が合成できた.得られたPolymer 2はゴム弾性を示し,引張試験による破断伸び(Eb),破断強さ(Tb)は186%,0.13 MPaであった.Polymer 2のイミノ基による架橋点は,フェニルエチルアミン(PEA)よるイミン交換反応により分解できた(Polymer 3).また,NaBH4によりイミノ基を還元すると安定な架橋ポリ(NBVE) (Polymer 4)も合成された.

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© 2016 公益社団法人 高分子学会
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