ウベローデ改良型粘度計を用いて高分子電解質稀薄水溶液 (Na C. M. C., D. N. A.) の粘度を速度勾配の小さい範囲で測定して低分子塩の影響による粘度の変化を調べた. 実験の結果はC. M. C. においては塩のないときと極めて小量の塩を加えた場合 (10-4N以下) にはηsp/cの埴がある濃度で最大になることを示している. D. N. A. の場合にはこれと異なって濃度の減少につれて塩の存在しないときもηsp/cが一様に減少する. いずれの場合も低分子塩が十分加えられれば (10-1N以上) 濃度による粘度変化がほとんどなくなってしまうので [n] を容易に求めることができる. この実験結果から高分子電解質溶液の高い粘性は主として分子間の相互作用に原因していることが推察される.