1960 年 17 巻 186 号 p. 596-600
本研究はポリフロンを一例とするポリ四フッ化エチレンのプレフォーミング工程における成形圧力と成形時間とが, 一定条件の焼結工程後にどのような寸法変化を生ぜしめるか, かつそのかたさ, 引張強さおよび伸度などの機械的性質にどの程度の影響を与えるものかを実験的に明らかにしようとするものである。成形時間30minで成形圧力200-450kg/cm2の範囲では, 成形圧力300kg/cm2におけるものは焼結によって成形圧縮方向には約6%膨張し, その直角方向には約2.5%収縮するが, 体積はほとんど変わりはない。それ以下の圧力では体積が収縮し, それ以上の圧力では膨張する。機械的性質においては, 300kg/cm2におけるものがかたさが最も高く, 引張強さも大きく, 伸度は少ない。300kg/cm2の成形圧力で10-60minの成形時間の範囲においては, 焼結による寸法変化ならびに機械的性質に対する成形加圧時間の影響は割合に少ない。特に30min以上になるとこれらに対する影響の程度はほとんど変わりがない。