高分子化學
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ポリアクリロニトリルの分別に関する研究
第5報ポリアクリロニトリルの分別沈殿における諸問題
藤崎 誼達
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1962 年 19 巻 201 号 p. 64-72

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抄録

溶媒-沈殿剤系としてジメチルスルホキスイドートルエン系およびジメチルホルムアミドーヘプタン系を用いてポリアタロニトリルを分別する場合に遭遇する若干の問題点について論議した。その結果を要約すると, 1) 分別過程中におけるポリアクロニトリルの着色は酸を添加することによって阻止できるが, ジメチルホルマアミド-ヘプタン系のごく高温で行なう分別では酸添加が分子鎖の崩解を促進するので注意しなけれげからない。2) 分別系に酸を添加すると一般に分別効罪を悪くする。3) 分別過程中で濃厚相の一部がコイド化するよちな分別系は分別効率が劣る。コロイド化現象の著しいジメチルホルムアミド-トルエン系などは全く分別能力をもたない4) 分別中溶液界面の器壁に濃厚相を付着せしめることは分別効率を劣化せしめるので好ましくない、5) かきまぜ時間を必要以上に長くすることは, 分別効率をかえって劣化するので好ましくない。などの諸点である。

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