アルカリ触媒によるメタクリル酸アミド (MAAm) の水素転移重合を検討した。従来, アクリル酸アミド (AAm) はアルカリ触媒で容易に転移重合を行なってpoly-β-alaninを生ずるが, MAAmでは高収率でポリマーが得られないことが報告されている。しかし本研究においてはsodium t-butoxide (t-BuONa) および金属ナトリウムを触媒として, アルコールなど極性物質が存在しない状態で無極性溶媒中で重合を行なうと高収率でポリマーが得られることがわかった。赤外吸収スペクトルよりこれら生成ポリマーは転移重合によって得たものであることを確認した。一般にMAA搬ではAAmの重合に比して生成ポリマーの分子量は小さク, 特に極性溶媒中では重合速度も分子無も低下した。また無極性溶媒中でt-BuONaを触媒として得られたポリマーは, 極性溶媒中で得られたものよりもすぐれた結晶性を示した。