高分子化學
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イオウ, Dicumyl peroxide併用によるポリエチレンの橋かけ効果
第1報イオウ, Dicurnyl peroxide併用によるポリエチレンの結晶構造の変化
小川 正夫小島 寛男
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1962 年 19 巻 206 号 p. 370-375

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抄録

ポリエチレンに1%以下のイオウ, Dicumyl peroxide (以下DCPと略記) を加え, 180℃プレス中で10分間加熱した場合の, ポリエチレンの結晶構造の変化をX線回折法ならびに融点測定法により求めた結果, 結晶化度および微結晶の大きさの低下を認めた。さらにイオウ, DCP併用によるポリエチレンの球晶の変化を顕微鏡撮影し, 球晶の微細化を明らかにした。次に上記ポリエチレンのゲル分中のイオウ定量, 190℃ における溶融粘度変化の測定結果から, イオウ, DCP処理のポリエチレン中に, 炭素一炭素間橋かけ結合とともに炭素-イオウ-炭素橋かけ結合の存在を推定し, これが上記ポリエチレン中の結晶構造変化の原因であることを論じた。

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