高分子化學
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ポリアンハイドライド合成に関する研究
芳香族アミドジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸の共重合ポリアミドポリアンハイドライドの合成
依田 直也
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1962 年 19 巻 210 号 p. 613-619

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抄録

分子内にアミド結合をもつ芳香族ジカルボン酸としてメチレン-ビス-(ρ-かレボキシフェニル)-アミドを合成し, 脂肪族ジカルボン酸との縮重合により, 主鎖中にアミド結合とアンハイドライド結合をともに含む結晶性共重合ポリアンハイドライドを合成した。アジピン酸ならびにセバシン酸との共重合体の組成と融点の関係図を求めた。結晶性ポリアミドポリアンハイドライド共重合体の融点はアミドジカルボン酸のモル分率の減少とともに低下し, 融点と組成の間には次のFloryの式で表わされる関係式を満足することを確認した。
(I/Tm)-(I/Tm0)=-(R/hu)InXA
これからクリスタリット: を形成するメチレン-ビス-(p-カルボキシフェニル)-アミドのアンハイドライドmolあたりの溶融熱としてhu=2600~2620cal/repeat unit, また溶融のエントロピー, Su=8.06~8.08cal/repeat unit/degなる値を得た。さらに共重合ポリアミドポリアンハイドライドの赤外スペクトルならびにX線図に基いてポリマーの分子構造についての考察を行なった。

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