第1報において光重合と熱重合の効果の差につき, 重合体溶液の透過率の点から検討し, また紫外線重合に適当な増感剤の種類につき比較検討したが, 本報は, それらの増感剤の光重合における特性につき研究を行なった。まず塩化亜鉛水溶液中におけるアクリロニトリル (以下ANと略記す) の光重合速度 (R
p) は光の強度 (I) と次の関係にあることを見出した。
増感剤: α α'azobisisobutylonitrile (ABIN) R
p∝
I0.5増感剤: ammonium persulfate (APS) R
p∝
I0.5増感剤: hydrogen peroxide (HPO) R
p∝
I0.7増感剤の吸光係数 (α) については次のごとくである。今もし過酸化水素の場合α=1とすれば, ABINではα=7.82, Benzoin (BZI) ではα=12.5である。重合速度は, α, 増感剤濃度 (c), セル|の|厚さ (d) およびhtensity exponent (n) と次の関係にある。一般にIR
p=
AInおよび
I0/
I=10
α・c・dここでAはモノマー濃度一定の場合は定数。為は入射光の強度である。したがって両式より
logR
p=log
AI0n-α・c・d・n
著者らは, 上式が成立することを確かめた。ここで (α・c・n) の積の小さい増感剤が, 光源より遠い位置の被重合液でも, 重合速度が衰えないということがいえる。下記にその測定値を示すごとくHPOがいちばhその値が小さく, したがって重合の均一性が良いことを見出した。
HPO: α・c・n=0.77
ABIN: α・c・n=2
重合速度のZnCl
2濃度の影響は次のごとくZnCl
2濃度の約2.5.25
BZI: α・c・n=3.78
乗に比例する。
APS: R
p=k [AN](α'+ [APS]
0.5)[ZnCl
2]
2.5HPO: R
p=k [AN](β'+ [HPO]
0.5)[ZnCl
2]
2.3ここでα'およびβ'は定数である。また分子量の逆数はZnCl
2濃度の2乗に比例す
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