1966 年 23 巻 252 号 p. 264-268
テレフタル酸ジメチルの脂肪族混合ジアミンによるアミノリシス反応で生成するポリアミドの融点は, 同一構造を有すると考えられるナイロン塩経由のポリアミドの融点よりも約20~25℃ 低い値を示す。この融点降下について検討した結果, プレポリマー生成時のアミノリシス反応速度が小さいため, 副反応が起こり, 第二級アミンが生成し, ポリマー中に導入され, N-メチルアミド結合となり, 融点を降下させることがわかった。テレフタル酸ジメチルよりはるかに反応性に富むテレフタル酸ジフェニルを用いると, プレポリマー中に第二級アミンは存在せず, 分子量の大きいものが得られる。したがって, N-メチル化のない融点245~258℃ の良好なポリマーが得られた。