高分子化學
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ビスフェノールのシアノエチル化合物よりポリアミドの合成
第9報主鎖にp-フェニレンオキシ基をもった二三のポリアミドの物性
安東 忠直片岡 清一
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1966 年 23 巻 259 号 p. 774-784

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抄録

主鎖にp-フェニレンオキシ基をもったポリアミド; ハイドロキノン骨格, ビスフェノール骨格およびフェノキシアルカン構造をもった一連のポリアミドを合成し, これらのポリアミドの繊維としての性質を調べた。この種のポリアミドの吸湿性および熱安定性を調べた。ポリアミドのガラス転移温度はディラトメトリーで測定した。溶融紡糸を行なって, 得られた繊維の動的弾性率および損失正接の温度依存性を測定した。また, 種々の倍率に延伸した試料の強さ-伸び率の関係から強伸度特性を求めた。これらのポリアミドは主鎖にp-フェニレン基が存在するために比較的に高いガラス転移温度をもっている。したがって未延伸糸の初期ヤング率は150~200kg/mm2であり, 相当に高い値を示す。しかしながら, 延伸による効果は小さく, 高倍率に延伸した試料においても初期ヤング率はそれほど増大しない。これらのポリアミドの初期ヤング率が小さい延伸効果を示す原因は高分子鎖が平面ジグザグ構造からねじれた形態をとっているためであると推論した。

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