高分子化學
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〔27〕 ジエチルピコリルアルミニウムを一成分とする触媒系による重合
谷口 政信尾崎 和男川端 成彬古川 淳二
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1967 年 24 巻 263 号 p. 193-197

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抄録

ジエチルアルミニウムクロリドとピコリルリチウムとからジエチル-α-ピコリルアルミニウム (α-PA) を合成し, その重合触媒作用を種々のモノマーについてトリエチルアルミニウムを用いた場合と比較検討した結果, ビニルモノマー, 環状エーテル, ラクトン, ケテンなどに対してはα-PAはトリエチルアルミニウムの場合と同様にほとんど重合触媒活性を示さない。アルデヒド類の重合に対してはトリエチルアルミニウムを用いた場合に比較して高活性であり, かつ結晶性ポリマーの収量も大であった。α-PA-TiCl4系を用いてエチレンを重合させることができるが, Et3Al-TiCl4系を用いた場合より活性は劣る。α-PA-α-TiCl3系を用いたプロピレンの重合とEt3>4Al-α-TiCl3系によるプロピレンの重合とを比較した結果, ピコリル基は重合触媒活性を弱めずに, しかもポリマーの結晶性を高めることが見出された。

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