高分子化學
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24 巻, 263 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 谷口 政信, 尾崎 和男, 川端 成彬, 古川 淳二
    1967 年 24 巻 263 号 p. 193-197
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ジエチルアルミニウムクロリドとピコリルリチウムとからジエチル-α-ピコリルアルミニウム (α-PA) を合成し, その重合触媒作用を種々のモノマーについてトリエチルアルミニウムを用いた場合と比較検討した結果, ビニルモノマー, 環状エーテル, ラクトン, ケテンなどに対してはα-PAはトリエチルアルミニウムの場合と同様にほとんど重合触媒活性を示さない。アルデヒド類の重合に対してはトリエチルアルミニウムを用いた場合に比較して高活性であり, かつ結晶性ポリマーの収量も大であった。α-PA-TiCl4系を用いてエチレンを重合させることができるが, Et3Al-TiCl4系を用いた場合より活性は劣る。α-PA-α-TiCl3系を用いたプロピレンの重合とEt3>4Al-α-TiCl3系によるプロピレンの重合とを比較した結果, ピコリル基は重合触媒活性を弱めずに, しかもポリマーの結晶性を高めることが見出された。
  • 第1報 重合条件の影響および重合機構について
    村橋 俊介, 二木 孝雄, 小保方 隆夫, 結城 平明, 畑田 耕一
    1967 年 24 巻 263 号 p. 198-202
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ジエチルアルミニウムジフェニルアミド (Et2AlNPh2) によるメタクリル酸メチルの重合をトルエン中, 種々の温度で行なった。重合速度は重合温度の低下とともに急激に増大し, -50℃で最大値を示した。重合温度-78℃では重合速度は-50℃におけるそれよりも小さくなった。重合温度-20~-50℃では一定触媒濃度における生成重合体の重合度は重合体生成量に比例して増加し, この重合では連鎖移動および停止反応の速度が成長反応速度に比べてきわめて小さいことを示した。重合系は室温でも, -50℃でもESRシグナルを与えなかった。また低温での重合体の紫外吸収スペクトルは重合体中に-NPh2基が存在することを示した。一方スチレンとの共重合を行なうと, 60℃では, ラジカル共重合と同様の組成曲線を与えたが, 低温ではスチレンはほとんど共重合しなかった。これらの結果からこの重合はAl-N結合の関与するアニオン重合であると考えられる。
  • 山口 格, 波田 靖夫
    1967 年 24 巻 263 号 p. 203-208
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    金属ナトリウム, あるいは金属カリウム触媒を用いてメタクリル酸メチルの重合をトリメチルアミン中において行なった。また, リビングポリスチレンを利用したスチレン-メタクリル酸メチルブロックコポリマーの合成および生成ポリマーの性質について若干の検討を行なった。メタクリル酸メチルの重合では, 重合速度は触媒およびモノマー濃度の1次に比例する。見かけの活性化エネルギーは約3.0kcal/molであった。生成ポリマーの分子量は触媒濃度の増加とともに減少し, モノマー濃度の増加に伴って増大する。また, 重合率が高くなるに従って大きくなっている。この場合, 重合率が高くなるにつれ分子量の増加割合が減少してくる傾向が見られるが, 重合率が低いうちは直線関係のあることが認められた。メタクリル酸メチルの場合, スチレンとは異なり, 安定なリビングポリマーは生成していない。触媒にカリウムを用いた場合, 重合速度はナトリウムの場合より小さい。
  • 山口 格, 波田 靖夫
    1967 年 24 巻 263 号 p. 209-214
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
    金属ナトリウム触媒によるスチレンの重合をトリメチルアミン中で行なった。重合速度は触媒およびモノマー濃度の1次に比例し, 重合の見かけの活性化エネルギーは5.3kcal/molであった。生成ポリマーの分子量は触媒濃度の増加とともに減少し, モノマー濃度の増加に伴って, 増大する。分子量に対する重合温度の影響は認められない。また, 分子量は重合率が増すに従い, 大きくなっている。分子量分布を測定した結果, この重合反応系が触媒として金属ナトリウムを用いる不均一系にもかかわらず, 生成ポリマーがかなり狭い分子量分布を有することが明らかとなった。分子量約200000のポリマーについてのMw/Mnは1.24であった。重合度Pnとモノマー濃度 [M] および触媒濃度 [C] との間には, Pn=K× ([M] / [C]) のごとき関係が成立し, この重合系においては, リビングポリスチレンが生成することが推定された。
  • 橋本 静信, 長砂 泰彦
    1967 年 24 巻 263 号 p. 215-223
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ピリジン環を有する2価のアルコールおよびジカルボン酸を原料とする重縮合を行なった。2, 6-位にメチロール基を有する2, 6-ジメチロールピリジンと脂肪族ジカルボン酸ジメチルエステルと溶融重合を行ない, 次いで, イソシンコメロン酸ジメチルおよびジフェニルエステル, 2, 6-ジメチル-3, 5-ジエトキシカルボニルピリジンと各種ジオールの溶融重合を試みた。また, これらイソシンコメロン酸, 2, 6-ジメチル-3, 5-ピリジンカルボン酸および3, 5-ピリジンジカルボン酸のジクロライドを用いる界面重合を試みた。そして, これらの生成物の融点, 粘度, 可紡性および溶解性などを検討した。その結果, 界面重合で得た生成物は, 300℃以上の融点を持つ高い溶液粘度のポリマーであった。
  • 第4報 ポリビニルアルコール単結晶の破壊
    坪井 清, 望月 隆仁
    1967 年 24 巻 263 号 p. 224-229
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコール (PVA) 単結晶をいろいろの方法で破壊し, その破壊状態を電子顕微鏡およびX線回折により観察した。乳ばちを用いてすりつぶしたり, 超音波を照射するとPVA単結晶は容易に破壊される。すりつぶした単結晶ではX線反射の半価幅は増大し, コンゴーレッドやヨードの吸着量が増加する。超音波照射では単結晶の長い辺に直角に割れやすく, 割れ目にはフィブリルが見られる。PVAフィルム上で延伸すると延伸方向に直角の割れ目とひだの方向にそった割れ目とを生じる。カーボン支持膜上でカーボンを引き裂くことにより破壊すると, いろいろの方向に割れた結晶が見られる。平行四辺形の長い辺または短い辺の近くでその辺に直角に近い割れ目の場合にフィブリルが形成され, ほぼ平行に割れると, フィブリルが現われない。
  • 第1報 ポリグルタミン酸-γ-メチルの合成と旋光分散
    中島 章夫, 林 壽郎
    1967 年 24 巻 263 号 p. 230-235
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ポリ-L-グルタミン酸-γ-メチル (PMLG), ならびにポリ-D-グルタミン酸-γ-メチル (PMDG) をNCA法で合成し, 分別試料について旋光分散測定から溶液中における分子形態を検討した。ポリグルタミン酸-γ-メチルは, ポリグルタミン酸-γ-ベンジルと同様に, ジクロル酢酸, トリフルオロ酢酸中ではランダムコイル形態をとり, m-クレゾール中ではPMLGは右巻き, PMDGは左巻きのヘリックス形態をとることが明らかにされた。
  • 第2報 ポリ-L-グルタミン酸-γ-メチルの各種混合溶媒系における分子形態
    中島 章夫, 林 壽郎
    1967 年 24 巻 263 号 p. 235-240
    発行日: 1967/03/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    旋光分散ならびに極限粘度数の測定からポリ-L-グルタミン酸-γ-メチルの各種二成分混合溶媒系中における分子形態を検討し, ランダムコイル-ヘリックス転移と溶媒組成の関係を調べた。用いた溶媒系はジクロル酢酸-m-クレゾール系, トリクロル酢酸-酢酸系, ならびにジクロル酢酸とアルコール, カルボン酸, 塩化物, 炭化水素, 極性有機化合物などの混合物である。本研究により二成分混合溶媒系で多数のヘリックス溶媒を見出した。
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