1967 年 24 巻 263 号 p. 203-208
金属ナトリウム, あるいは金属カリウム触媒を用いてメタクリル酸メチルの重合をトリメチルアミン中において行なった。また, リビングポリスチレンを利用したスチレン-メタクリル酸メチルブロックコポリマーの合成および生成ポリマーの性質について若干の検討を行なった。メタクリル酸メチルの重合では, 重合速度は触媒およびモノマー濃度の1次に比例する。見かけの活性化エネルギーは約3.0kcal/molであった。生成ポリマーの分子量は触媒濃度の増加とともに減少し, モノマー濃度の増加に伴って増大する。また, 重合率が高くなるに従って大きくなっている。この場合, 重合率が高くなるにつれ分子量の増加割合が減少してくる傾向が見られるが, 重合率が低いうちは直線関係のあることが認められた。メタクリル酸メチルの場合, スチレンとは異なり, 安定なリビングポリマーは生成していない。触媒にカリウムを用いた場合, 重合速度はナトリウムの場合より小さい。