1968 年 25 巻 284 号 p. 840-844
無触媒法により, セルロースへのMMA-ブタジエンの二元グラフト共重合を行なった。反応は, セルロース-水-MMA-ブタジエンの系で加熱かきまぜるだけで, グラフト重合が進行する。全単量体濃度10~20%のとき, 反応温度90℃, 単量体モル分率MMA/ブタジエンの値が30/70の状態のとき, グラフト率も最大で, かつMMAとブタジエンが交互共重合の形でグラフトする。反応時間が増加すると, 一様にグラフト率は上昇するが, グラフトポリマーの構造は単量体モル分率と反応温度の変化に対し一定である。反応の機構について, 拡散反応の取扱により, この反応が理解されることから, 拡散律速で進むこと, および反応の活性化エネルギーが36kal/molであることを知った。