高分子化學
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ナイロン6の結晶変態の研究
第1報 溶液からの結晶化
京谷 陸征三橋 重信
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1971 年 28 巻 311 号 p. 211-217

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抄録

ナイロン6のグリセリンおよびヘキシレングリコール溶液から種々の結晶化条件で結晶化して得た試料に含まれるα型およびγ型結晶の混在率をX線法により求め, その結果を検討した. ヘキシレングリコール溶液から0および100℃で結晶化した試料にはγ型結晶の存在は認められなかった. 以下に述べる結果はグリセリン溶液から結晶化して得た試料についてである. 等温結晶化温度が高くなるとともにγ型結晶の混在率が減少する. 140℃でこの減少が大きく, 160℃では主としてα型結晶が生成している. 等温結晶化温度140℃では結晶化時間とともにγ型結晶の混在率が減少し, 100℃では反対に増加する. しかし100℃では140℃に比べより短い時間で混在率がほぼ一定となる. 等温結晶化温度100℃では溶液濃度の増加とともにγ型結晶の混在率が減少する. 結晶化温度が100℃以上の試料を200℃で10時間減圧中で熱処理した試料のγ型結晶の混在率は未処理のそれに比べるとほぼ同じか少し増加している程度である. しかし0℃で結晶化した試料はこの熱処理によりγ型の混在率が大きく減少している.

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