トリオキサンの放射線後効果固相重合において, 照射と後重合をくり返す多段照射後重合を試みた. その結果, 前照射線量が大きい場合は, 多段照射によって, 短時間に高収率が得られた. 前照射線量が小さい場合は, 反対に多段照射の方が収率が低くなった. この相違は, トリオキサンの放射線後効果固相重合において, 照射によって蓄積される活性点と, 消滅する活性点による2種類の反応を考えることによって説明できる. また, インソース重合と多段照射後重合との比較から, インソース重合は, 後効果重合における2種類の活性点のうち, 照射によって蓄積される活性点による重合の重ね合わせと考えられる.