1972 年 29 巻 321 号 p. 1-6
液体亜硫酸中におけるホルムアルデヒド線状ポリマーであるパラホルムアルデヒド, α-ポリオキシメチレン等の酸触媒による反応を検討した結果, 主生成物としてトリオキサンが得られ, 他にテトラオキサンと少量のホルムアルデヒドの生成が認められた。本反応はトリオキサンおよびテトラオキサンのカチオン重合の逆反応と考えられる。反応温度が100℃以上では無触媒の反応によっても環状オリゴマーは急速に生成する。液体亜硫酸中において, これら環状オリゴマー類およびホルムアルデヒドモノマーはホルムアルデヒド線状オリゴマー (ポリマー) から生ずる活性末端と平衡関係にあることが認められた。
また, 液体亜硫酸中では有機溶媒にくらべ生成速度および生成濃度が著しく大きいことがわかった。