高分子化學
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ポリプロピレンの等温結晶化への溶融条件の影響
生島 宏一郎田中 保野本 元
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1972 年 29 巻 323 号 p. 186-191

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抄録

種々の市販ポリプロピレンの等温結晶化をDSCにより検討した。実験に使用した試料の形状は, (1) ペレット, (2) フィルム, (3) 溶液からの析出物である。前溶融温度を180℃から260℃まで変化させて, tmax (結晶化速度が最大になるまでの時間) を123℃で測定した。結晶形および球晶をX線回折計, 光学顕微鏡で調べた。以下の結論を得た。
(1) ペレットの場合, tmaxの溶融温度依存性は試料により異なる。アブラミのパラメーターnの値は3と4の間のものが多い。2に近い値の場合にはトランスクリスタルが多く生成した。
(2) 析出物の場合, tmaxは溶融温度にほとんど依存せず, nの値は4に近かった。
(3) ペレットおよび析出物から結晶化した試料の結晶形はほとんどα-変態であったが, フィルムからの場合はα-変態とβ-変態の混ざりものであった。

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