高分子化學
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毛管流動法によるポリマーの機械的切断における溶媒の影響
吉川 公敏福冨 兀加倉 井敏夫
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1973 年 30 巻 344 号 p. 756-760

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抄録

毛管流動法によって, ポリα-メチルスチレンの切断を, トルエン-メチルエチルケトン (MEK) の混合溶媒中で行ない, 溶媒混合比, ポリマー濃度, ポリマー重合度の切断への影響を調べた。結果として, ポリマー濃度が希薄なほど切断速度定数kの値は大きく, 溶媒組成の影響が強く現われるが, ポリマー濃度の増加とともにその影響は減少する。同一ポリマー濃度においては, MEK体積分率0.1付近の溶媒混合比においてkに極大が現われる。希薄溶液系では良溶媒中でのkが大きいが, 0.20g/100ccの濃度では逆に貧溶媒中でのkが大きくなる, などがわかった。これらの事実から, 希薄溶液系においてはポリマーセグメント-溶媒分子間の相互作用が切断におもに関与し, 濃度が割合高くなると, ポリマー間の相互作用が切断に影響してくるものと考えた。

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